喫茶店で思い耽ったことを

頭の中で整理したりしなかったり

商秋

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初めて単焦点レンズを使用して、1ヶ月半ほど経過しただろうか。コンデジ慣れしたカメラ素人である私は緩急を付けながらも只管に戸惑い続けている。被写体との距離を以前より思慮せざるを得なくなり、自由度が制限されたように感じる。一方で、目前の相手を慮り直す時期なのだろうかと意地でも腑に落とそうとしている自分も居た。汎ゆる万物には表裏があると信じている。正解も無い。

日常の選択が浅く上滑りする感覚を得る瞬間が明らかに増えた。鈍っていく。言動が範疇を逸脱し乖離して地面に落ちるのが見える。これが老化だとしたら待ち受ける未来に対して面目無い。あまりに酷く意図していない交差がミニマルに連続した日、飽きない喫茶店で牛の涎の如く吐露した。結論、そのままでいいと言われた。

BUCK-TICK櫻井敦司がテレビ番組に出演している姿をYouTubeの無断転載動画で観た。「孤独はいいものです」と笑顔で肯定していた。そして意図せず逝った。自分の中の死生観と重ねる。終焉、開放、それとも無か。死は孤独だろうか。

好きな作品は、私を否定も肯定もしないで其処に存在してくれるからこそ惹かれる。架空の歪んだ孤児根性に視界を邪魔されず済む三次元或いは四次元空間へと導いてくれる。空虚と安心の狭間に。

秋のような気持ちだ。