すべての喫茶店を愛する。
それは不可能に近い。
いい思い出はたくさんある。
けど、苦い経験も少なくない。
酸いも甘いも味わえるのが喫茶店の魅力のひとつ。
ほんの少しだけ。
街の小さな喫茶店には目に見えない結界がある。
お店の人と常連さんが長年培ってきた色の強い結界。
それを突破するには勇気が必要で。
意を決して入店できた時のアドレナリン分泌にハマっていた。
興味本位というものは時に残酷だったりする。
気づくと私はその中毒から脱していた。
誰かのためではなく、自分のために喫茶店を利用するようになった。
それは当たり前のようで、意外と当たり前ではなかった。
これからは喫茶店に訪れた時、その時の頭の中を少しでも文章で咀嚼して消化できたらなと。